首相の、尖閣諸島の発言から・・・

南シナ海の島々の領有権をめぐり、中国と東南アジア諸国との緊張が高まっている。中国とフィリピンが領有権を主張するスカボロー礁(中国名・黄岩島)で・・・

南シナ海の南・西沙諸島ベトナムと領有権問題で双方、主張を譲らない。「弱小国でも強力な反撃に遭う運命にある」との論評を人民日報に掲載するなど、大国意識を丸出しにし、相手を威嚇する態度を示している。

中国の東南海域の進出と軍事力を強めてきている感がある。それに対し弱小国でも容赦しないとの構えであるようだ。弱小国のフィリピン・ベトナムなどは、アメリカに頼ざるを得ない状態であるようだ。

そんな中、野田首相尖閣(諸島)を平穏かつ安定的に維持・管理するにはどうしたらいいかという観点から、今、所有者の方とも連絡を取りながら、総合的に検討している。(地権者や東京都とは)様々な接触を様々なレベルでしている」の動きに中国は反発を強めるのは当然である。

西日本新聞社説)・・・中国は大国を自任するのなら、周辺国への軍事的な圧力を自制し、領有権や漁業権の争いを対話によって平和的に解決する姿勢に転換すべきだ。

中国と東南アジア諸国連合ASEAN)は、02年に合意した「南シナ海行動宣言」で、武力の行使や威嚇の禁止、新たな占有の自制などを約束している。

中国もASEAN諸国も、同宣言を守り、国際海洋法裁判所への提起も含め、国際ルールにのっとった解決を目指すことが必要である。9日からは、ASEANや中国、日本、米国なども参加する一連の外相会議がカンボジアで開催される。「南シナ海行動宣言」を法的拘束力のある「行動規範」に格上げするための協議を、早急に始めるべきだ。

フィリピンやベトナムは米国との軍事的連携を強化することで、中国の圧力に対抗しようとする動きを強めている。米国のこの海域への関与は心強いが、中国封じ込めの性格が強まりすぎれば、かえって地域の緊張を高める恐れがある。南シナ海を米中の覇権争いの舞台にしないよう、米中両国の対話も必要だ。

東シナ海でも、日本の領土である沖縄県尖閣諸島について、中国が領有権を主張していることから、両国間に摩擦が生じている。背景や構図は南シナ海の問題と共通する。日本はASEAN諸国と連携しながら、平和的解決の仕組みづくりを進めることが重要だ。