悪いことを知りながら何故するの?

オリンパス不正経理大王製紙会長の巨額不正借り入れ問題で、常識では考えられない行為がまかり通ってしまう会社組織は、最高権力者一人の発想から起きた問題である。

『愚人はいたずらに利益と名誉を追う、家(うち)にあってはみずから 嫉みを起こし 外にあっては奉仕を求めて やまず』 お金がすべて、序列がすべて、という生き方では、組織のなかで、嫉妬の鬼になって自滅の道を歩み勝がちです。

組織の外に出ても、自分がエライかのように思い上がって、みずから争いの種を作りがちです。大切なのは、私もただの愚人であることを、深く知ることだと思います。・・・松原泰道

『悪のなかに 楽しみをもつなかれ』

埼玉県三郷市の路上で先月、女子生徒が刃物で襲われた事件で、同県警に殺人未遂などの疑いで通信制高校2年の男子生徒逮捕された。「動物を殺したので次は人間を殺すつもり」などと周囲に話していたという。

その時は、冷静さを失って、自分を見失い、善し悪しの見分けがつかないままに、悪行に走ってしまったなどと、自分の悪事を弁解する人がいるが、悪いことをしていて、それが間違っていると気がつかない、などということはありえない。ただまれに無知ゆえに、善悪の理解ができていないこともあるかもしれない。

うっぷんのはけ口のような、誰でもいいからと見ず知らずの人に危害を加えることは男子生徒のゆがんだ精神的行動として、女性や子供に対する犯罪である。

いずれにしても悪いことと知りながらも、人は悪事をはたらいてしまうのである。何が人を悪事に向けてしまうのだろうか?ほとんどの人は悪いことと認識したならば悪事を働くことをしないものであるが・・・

自分のことはさておいても他を思いやり、他を幸せにという願いが、自分自身にそなわるようになる。世のため人のためにつくせる人間であることに喜びと生き甲斐を感じることができるようになれば、それほど幸せなことはない。

命はいつ尽きるかわからない儚いもの、よりよき生き方を求め続けることに喜びをみいだしたいものである。