セーフティネットに生じたほころびや貧困・格差の拡大

女性の「ワーキングプアー」「プレカリアート」の問題で、作家の雨宮処凛(あまみやかりん)さんが出演していた。女性の都会進出というとかっこいいが、実情は厳しい実態があり私にはショックであった。

ワーキングアーとは(ウキペディア)・・・正社員並み、あるいは正社員としてフルタイムで働いてもギリギリの生活さえ維持が困難、もしくは生活保護の水準にも満たない収入しか得られない就労者の社会層のことである。直訳では「働く貧者」だが、働く貧困層と解釈される。

日本では、1990年代以降のグローバリゼーションの流れに対応して、政府・企業の主導のもと、労働市場規制緩和・自由化がすすめられた。派遣労働の段階的解禁はその表れだが、その他パートや契約社員も含め非正規雇用の全労働者に占める割合は、90年代後半以降一貫して増え続けている。

これら非正規雇用は企業にとっては社会保障負担の軽減や、雇用の調整弁や単純業務のための安価な労働力としての活用という点で、人件費を大幅に削減することを可能にする。

したがって、労働者から見ると、多様な就業形態を可能にする一方で、雇用の継続は不安定で、キャリアアップの機会に乏しく、雇用保険社会保険といった社会保障も正社員に比較して不十分であることが少なくなかった。

プレカリアートとは(ウキペディア)・・・「不安定な」(英: precarious、伊: precario)と「労働者階級」(独:Proletariat、伊: proletariato)を組み合わせた語で、1990年代以後に急増した不安定な雇用・労働状況における非正規雇用者および失業者の総体。

国籍・年齢・婚姻関係に制限されることなく、パートタイマー、アルバイト、フリーター、派遣労働者契約社員、周辺的正社員、委託労働者、移住労働者、失業者、ニート等を包括する。広義では、貧困を強いられる零細自営業者や農業従事者等を含めることもある。

雨宮処凛さんが言っているのは、特に女性のプレカリアートいわゆる、不安定な就業状態人が多いということ、地方から都会に出で、年収120万円以下の暮らしを続け、将来の保障の年金もかけられない派遣社員・パート従業員いる。

そして、お年よりは“金持ち”といわれながら、意外と多い生活困窮者が問題だという。家族形態の変化で、独り暮らしの方が多く、日々の暮らしにも不安になっている方が多いという。

社会保障と税の一体改革が政府で「安心で希望と誇りが持てる社会の実現を・・・」進めようと しているが・・・少子高齢化といった人口構成の大きな変化、非正規労働者の増大など雇用基盤の変化、家族形態・地域基盤の変化など、社会保障制度を支える社会経済情勢には大きな変化が生じ、セーフティネットに生じたほころびや貧困・格差の拡大など、新たな課題への対応が求められている。

NHK深夜便、シリーズ「日本のあす、私の提言」。テーマは「女性にとっての日本未来論」は、興味深く拝聴した。女性の地位の偏見・高齢化社会に伴う、格差拡大の問題・200万円ならまだしも、150万円以下の年収の方の生活保障、いわゆる生活弱者に光を当てる政策が今後の日本にとって大事なことだと思った。