党首討論をきいて

今年初めての党首討論をきいて・・・橋下徹大阪市長大阪維新の会」の新勢力が中央進出の動きを加速している。不毛の議論を続けている既成政党である。むしろ既成政党の中の人間も大阪維新の会に寄り添う考えの出る人もいる。

小沢一郎民主党代表の考えには、野田首相の消費税増税に反対ののろしを上げている、一方自民党のは10%の増税は主張している。確かにマニフェスト違反ということらしい。そんなことを言いあって議論が進まない。

そんな対立を繰り返すばかりでは既成政党の存在意義が問われかねない。危機感が働き始めたのであれば、正しい認識だ。討論を重ね、接点と対立点をより具体的に示してほしい。

こんなことでは、国民は橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」国会進出を期待する人が増えるばかりである。

各誌の社説で党首討論を上げている。
朝日新聞・・・「一体改革の道筋が見えた」
この日の応酬では、民主、自民両党の主張の重なりの多さが改めて浮かび上がった。それはつまり、谷垣氏が挙げた問題点をクリアできれば、改革そのものが実現に向かって動き出すということだ。

そのために野田首相がすべきことは、はっきりしている。まずは、実現が極めて難しい最低保障年金の新制度はきっぱりと棚上げする。そのうえで、消費増税社会保障関連の法案を間を置かずに出すことだ。

読売新聞・・・「一体改革でも真剣に接点探れ」
与野党が合意できる点は少なくない。焦点の社会保障と税の一体改革でも、積極的に歩み寄るべきだ。

谷垣総裁が、自民党も基礎年金の国庫負担の財源に消費税率引き上げを想定していることを明言するなど、与野党の一致点は徐々に増えている。

野田首相は、新年金制度案を棚上げし、与野党協議への道を開く決断をすべきだ。「まず足元を固めるべきだ」との谷垣総裁の指摘は、もっともだ。首相は、民主党小沢一郎元代表グループや国民新党の亀井代表が公然と唱える増税反対・慎重論を抑え込むことが大切である。

谷垣総裁も、現在の危機的な財政状況を招いた責任が長年の自公政権にあることを忘れてはならない。衆院解散を要求するだけでなく、自民党の対案をまとめ、政策の中身で対抗するのが筋だ。与野党は、話し合いを重ね、真剣に接点を探ってもらいたい。

毎日新聞・・・「橋下さんには負けられぬ」
税と社会保障の一体改革について首相が「与野党で協議を」と呼びかけ、谷垣氏が「その前に衆院解散を」と拒絶する。そんなワンパターンな応酬が繰り返される展開にならなくてほっとした。

一体改革については政府が大綱に示した最低保障年金制度の見直しを谷垣氏が促し、首相は当面の改革実施で歩み寄りは可能と反論した。

民主党では小沢一郎元代表が消費増税に反対姿勢を明確にし、法案の閣議決定すら危ぶまれている。首相は「51対49の党内世論でも決めたらがんばる」と法案提出は不変と強調した。有言実行で進んでほしい。

野田内閣のみならず民主、自民両党の政党支持率が低迷する中、橋下徹大阪市長の直接的なメッセージや新勢力の動向が国民の関心を集めている。発信力が不足気味の両党首だが、率直に本音をぶつけあうことが、言葉の力を取り戻す近道だ。それがひいては、既成政党の地盤沈下を食い止める足がかりとなろう。