日本のODAの理解を深めよう

ODAって?最近あまり聞いたことがないが、日本が開発途上国に経済・社会発展に供与すると言うことは、高校時代に学んだのだが、東日本大震災で、支援された国々から、お礼の感謝があったという。

人はみな助けあって生きられること、国際意識を国民が持つと言うことは大切なことで、日本人の何気ない心づかいの精神は、世界から認めらられることになるのだと思う。

Official Development Assistance(政府開発援助)の頭文字を取ったものである。政府または政府の実施機関によって開発途上国または国際機関に供与されるもので、開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上に役立つために行う資金・技術提供による協力。

1954年10月6日、日本はコロンボ・プラン(開発途上国援助のための国際機関のひとつ)への加盟を閣議決定し、これを機に開発途上国への経済協力に取り組むこととなりました。今日、日本の協力先は150以上の国や地域に広がり、NGO(非政府団体)との連携による援助を含めて様々な形態で行われている。

毎日新聞社説「ODA白書 国民理解深める努力を」・・・
外務省が11年版のODA(政府開発援助)白書をまとめた。東日本大震災の支援国が日本のODAへの感謝を口にしていたことで、改めてODAの重要性が知られるようになった。ODAは今後も日本外交の大きな柱だが、それには国民の理解を深めることが欠かせない。

今年の白書は「世界との絆とODA」として東日本大震災とODAに1章をさき、「震災を乗り越えて、これからも引き続きODAをはじめとする国際貢献に積極的に取り組んでいくことが日本には強く求められている」と強調した。

日本のODAは90年代のピーク時で年1兆円を超え世界一だったが、財政難で減少傾向にあり、現在は米英独仏に次ぐ5位に転落した(12年度予算は5612億円)。英国が10年に2割増とし、独仏も増額傾向にあるのと対照的である。

国民総所得に対するODAの比率も0・20%にとどまり、主要援助国23カ国(平均0・32%)中の20位にすぎない。最下位の韓国は15年までに0・25%に引き上げる目標を掲げており、日本は国民総所得比で韓国に追い越される可能性がある。アフリカへの支援を近年増やす中国などと比べて、国際社会での日本の存在感は薄くなる一方だ。

こうした中で、ODAへの国民の支持は低下している。昨年10月の内閣府の調査では、経済協力を積極的に進めるべきだとする人は前年の32%から27%に減り、現状程度で良いとする人が43%から47%に増えた。長年指摘されてきたODAの不透明さや非効率性に加え、震災で困っている国内の被災者を助けるのが先、という国民感情もあるだろう。巨額の税金を使う以上、世論が厳しい視線を向けるのは当然だ。

世界の安定にODAを活用することが日本の安定に直結する、という日本外交の理念は正しい。「地球規模の諸課題の解決に取り組むことが主要国としての責務」(白書)との認識もその通りだ。だが理念を繰り返すだけでは足りない。日本の開かれた国益のため、ODAがどう役立っているかを国民にていねいに知らせる必要がある。

たとえば、被災地の物産を調達して途上国支援に活用したり、省エネルギーや環境技術の普及をビジネスチャンスにつなげる取り組みなどが白書で紹介されている。質の向上をどう図るかにも知恵を絞るべきである。

54年に始まった日本のODAは戦後賠償に準じたもの、資源確保、平和への貢献と、時代に応じて意味や目指すべき方向を変えてきた。新しい時代にふさわしいODAのあり方を確立するため、政治が先頭に立って議論を深めてほしい。