笹舟人生

春にになって小川のせせらぎも、輝きを増してきたようだ。

両岸から伸びている草も枯葉のなかから青い葉脈が浮かび上がってきた。

水かさも増えてさざれ石が輝いて見える。

そんな光景を見て・・・考えた。

いま自分は・・・ちっぽけな笹舟に乗っている人生だ。

好きでも嫌でもでも私はこの舟に全身全霊ゆだねるしかない。

この小さな笹舟が波にもまれて、だんだんと、

急峻な谷となり川幅が広がり緩やかな流れとなって、

大海にたどり着くまで無事に着けるとかどうかなんて考えもしない。

間違いなく、一滴の水が集まって小川になり、

川となって海に流れ着くことは解っている。

小さな笹舟なんだから・・・きっと何処かで沈んでしまい、

投げ出されてしまうことに決まっている。

でも!いま頼りにならないちっぽけな笹舟にしがみつき、

乗るしかない・・・

必死に掴まって、ひょっとしたらう、

大海までたどりつけるかもと・・・