郷土愛とは・・・

人は生まれた時から両親の愛情で育てられて成人になります。多くの人に関わりあって大人になります。そのプロセスが問題で、個人に関わっていく、人の良し悪しで社会は変わります。そして、私達の人生像・社会像を具体的縮図のように描き出しているのが「地域」というものかもしれなません。

今時「地域」なんて言葉は死語にちかいもので日常会話の中では、ほとんど使わないし、あまり意識もしないものになっています。しかし、マスコミによって報道される多くの事柄が、身近なこの「地域」の中でも読み取ることができます。

先行き不透明な混沌とする社会の中で、自らの人生の意義を確かなものにするには、今一度「地域」を捉え直し、立て直すこと、古臭くいえば「郷土の生活の意義」を確かなものにしていくことが大切です。

私達が国や社会を憂うのなら、その最も具体的で確かな方法は、郷土に尽くすということなのかもしれません。傍から見ればバカバカしいほど、郷土愛を至情に生きている人は、人や地域・国・人類をも愛する事ができると思います。

人それぞれの人生は、決して傍から見るほど平坦な存在ではない。味わえば味わうほど深淵不可思議な存在で、それを最も味わい得る人生は、郷土を背景として成り立つ私達の実生活の中にあるような気がします。

最近思うのですが、いま住んでいる地域を大事に愛おしく思う心が薄れているようで仕方がないのです。具体的には、近所の人間関係・環境問題など、関心がないという人が多くなってきていると思うからです。

つまり、自己中心的な考えの人が多いということです。やはり、人間の生きる原点に立ち還り、“生きるとは”考えますと、人間愛とは、地域社会と地域・日本の自然環境を愛することに帰着するのだと思います。