「歪んだ人間社会」を考える

65歳以上の高齢者人口は、「人口推計」(総務省)でみると、(平成12年10月1日現在、 2,193万人で、総人口(1億 2,692万人)に占める割合(高齢化率)は17.3%となっている。

老人漂流時代と言われる、将来の自分を想像してしまう。不安とストレスは増すばかりである。「地縁」「血縁」「社縁」が薄れた無縁社会において、“無縁介護”の状態が“無縁死”を引き起こし、貧困の拡大がこの状況に拍車をかけているようだ。

NHKの「無縁社会」「無縁死3万2千人の衝撃」の番組からは、昭和の家族・地域社会・会社の濃密な関係が失われ、個々バラバラに浮遊する不安定で、それでいて個人主義に徹しきれない未成熟な市民社会が映し出されている。

日本では少子高齢化、女性の社会進出によるかつての結婚に対する若者の意識の変化、地縁・血縁・社会の崩壊、個人情報保護法によるプライバシー保護の厳格化、家族や社会とのコミュニケーションが希薄化しネットによる交流が主となっている若者、また終身雇用制度の崩壊をはじめ、長引く不況において団塊の世代の退職・雇用減少といった要因が重なり合い、単身者はますます孤立しやすい社会へと急速に移行している。

2030年以降の生涯未婚率は30%を超えるであろうと予測されている。さらにニートやフリーター、派遣社員の増加が著しく30代、40代ですでに社会から孤立する者が急速に増えている。これらは日本に限らず先進国一般の風潮であり社会問題化している。(ウキペディア)

地域のコミニティは薄れ、隣りのお宅で、新しく転居されても、近所に挨拶もない。何時亡くなったことすら分からないと言った、地域社会化している状況は、孤立死=無縁死に繋がっているのだ。

私は、長らく町内会のボランティアで、町内会のコミニティはかるため、地域の盆踊り、敬老の集いなどに計画実施してきた1人であるが、年々参加者の数が減っていくことが、なんとも寂しい思いである。

「歪んだ人間社会」は、高齢者のみならず中年者も、将来に対する未来社会に不安は増大しているのである。