高齢化と認知症

高齢化に伴う身体の変調は誰でも経験することです。身体的な問題と脳及び神経系の問題がありますが、社会生活上で一番問題となっている「認知症」があります。

世間一般に通常の会話の中で、「もの忘れと認知症」を混同している人がいます。認知症で見られる「もの忘れ」と年齢で伴う「もの忘れ」の違いを出来るだけ早く分かることが大事で、大きな間違いを防ぎたいものです。

自分の経験した出来事を忘れる・体験したこと全体を忘れる・ヒントでも思い出せない・もの忘れを自覚していないなどで・・・判断が大事と思います。

記憶が困難、または正しい言葉を思い出せない 集中力の低下 新しいことを学ぶのが困難 などの 症状が出たら専門医に診てもらうことです。

脳の神経細胞はさまざまな量の神経伝達物質(細胞から細胞に信号[インパルス]を送る)を放出しているが、神経細胞の受容体数が減少する。そのため、脳は十分なインパルスを迅速に送ったり処理したりできなくなるそうです。

認知症」・・・脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下など中核症状と呼ばれるものです。これらの中核症状のため周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。

本人がもともと持っている性格、環境、人間関係などさまざまな要因がからみ合って、うつ状態や妄想のような精神症状や、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こってきます。これらを行動・心理症状と呼ぶことがあります。

このほか、認知症にはその原因となる病気によって多少の違いはあるものの、さまざまな身体的な症状もでてきます。とくに血管性認知症の一部では、早い時期から麻痺などの身体症状が合併することもあります。アルツハイマー認知症でも、進行すると歩行が拙くなり、終末期まで進行すれば寝たきりになってしまう人も少なくありません。(厚生労働省

今日の読売新聞の社説・・・「認知症対策 生活習慣の改善も予防になる」

認知症の高齢者が、従来の予測を大幅に上回るペースで増えている。予防や診療の体制整備を急がねばならない。

厚生労働省研究班の推計によると、認知症の高齢者は462万人に達する。過去20年間で6倍に増えたという九州大の研究結果もある。急速な高齢化に加え、糖尿病の増加が認知症の患者数を押し上げている事実は見逃せない。

国内外の調査で、糖尿病を患う人は、アルツハイマー認知症の発症リスクが2倍前後に高まることが分かってきた。

アルツハイマー認知症は、脳内に異常なたんぱく質がたまって発症する。糖尿病になり、血糖値を下げるインスリンが多量に分泌されると、このたんぱく質が分解されにくくなって蓄積し、認知症が起きやすくなるという。

糖尿病は、食べ過ぎや運動不足による肥満が主な原因だ。運動や和食を中心とした食事で生活習慣に気を配っている人は、糖尿病ばかりでなく、認知症の発症リスクが低いとのデータがある。

厚労省は、こうした情報を周知すべきだ。若い頃から生活習慣に注意して予防につなげたい。