旅たちのとき

「世間(世の中)を 憂しとやさしと思えどども 飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば」…万葉集山上憶良

私は、多感な子供の頃を思い出しますが、小学校から中学校・高校そして別れ別れて行く…三月は出会いと別れ、旅立ちの月でもあります。

今、現在を確り生きる…未来に向けて、歩く続ける、過去を振り返りながら…

旅たちの“とき”…

人間の可能性は限りなく無限に広がっている。そんなかなで、自分はもの凄いことをしても、そこには数え切れないほどの、ほかの力が働いているのです。

四年前の東日本大震災への鎮魂に思いを致す月でもあります。

この間、私はなにを学び、脱皮したでしょうか。全てが変わった様でもあり、なにも変わっていないかの如き今の様子があります。歳月とは、まさに諸行無常に棹さして生きている様子そのもののことであります。

私もいつの間にか見た目にも若くはないことを自覚せざるを得ない昨今です。益々、わが人生を自問自答し直し、再生の歩みを新たにしなければと思うのです。

世は無常

この無常ということについて、私たちは日々の生活においてあまり気にとめていません。でも、このことわりが、人が人らしく生きようとするための原点になるはずです。

命の儚いこと、命の尊いことに気づくから、やさしさの心が育まれ、真実に生きようとする気持がおのずと生じてくるようになる、命にはかぎりがあることを思うから、より良き人生でありたいと願う、そして、他の人を思いやる気持にもなれるのです。