政治の信頼を取り戻せ

今の国会議員の資質と協調性が問題であると思っている人は多い。「首相が誰がなっても同じ」「自分達のためだけに心血注いでいるだけ」「我田引水で予算の獲得合戦」などなどだ。東日本大震災で被災されている人に、諦めのような言葉である。

政治とは・・・を考えさせられる言葉だ。今重要課題は何か、総合判断し、過去・現在・未来を見つめ何が優先するのか、議員の出身地だけを固執した考え、また烏合集散では、スピードが求められる復興対策・・・予算などは前に進まない。

今日、野田政権が2度目の臨時国会が開かれる。政治に信頼を取り戻すことが日本国民が願っているのだ。大同小異の精神も大事だ。

朝日新聞社説・・・「臨時国会―政治の信頼 取り戻せ」
国会議員の評判は、さんざんだ。いまに始まった話ではないが、東日本大震災このかた、ますますひどくなった。

先日の復興関係の参院中継を見た読者から、「まるで予算獲得の陳情合戦。いまの国会論議には政治哲学が欠けている」という意見が、この隣の声欄に寄せられていた。

未曽有の大災害の前には、与党も野党もない。みんなで力を合わせて難局をしのぐのだ。多くの国民はそう期待したが、そうはならなかった。与党では内輪もめが起きて、首相が交代した。野党は政権を追い込むことに目の色を変えていた。そして、復興対策が遅れている。

これでは、「ダメ国会」の汚名を返上できるわけがない。 きょう、野田政権になって2度目の臨時国会が召集される。

復興対策の第3次補正予算案や、その財源確保のための増税法案、復興庁の設置法案などが主な課題になる。衆院一票の格差を是正するための関連法案も控えている。

果たして、国会での審議はすすむのか。

新政権の「顔見せ」のようだった先月の18日間の国会とは違って、こんどは51日間の会期をとっている。それでも、早くも日程がきゅうくつだとの声が聞こえてくる。

補正予算案の提出が今月28日にずれこむうえに、復興増税の期間などをめぐり与野党の折り合いはついていないためだ。11月にはG20首脳会議など、首相が出向く国際会議も続く。 いずれは会期の延長も視野に入ってくるかもしれないが、ここはまず、与野党とも会期内に課題をこなすように努力してほしい。

なにも拙速に法案を成立させればいい、というのではない。ただ、閣僚の失言や国会運営の不備を理由に、野党が審議の日程を引き延ばすような駆け引きはもうやめよう。「55年体制の遺物」のような手法は、国会全体の評価を下げるだけだ。

とくに自民党は復興増税の中身について、水面下の事前折衝ではなく国会で議論したいといってきた。その通り、公の場で堂々と審議し、しっかりと結論を出せばいい。

もちろんそのためには、政府・与党側の誠実で丁寧な国会運営が欠かせない。野党が求めてきた、小沢一郎民主党代表の国会での説明も速やかに実現するのが筋だ。国会議員が信頼を取り戻すには、粛々と議論し、法律をつくって結果を示すしかない。