秋真っ盛り

街路樹の楓の葉が色づき、そして葉が一枚一枚歩道に落としていく、風の吹き溜まりは雨に濡れた枯れ葉が、溜まっている光景を目にするようになった。太陽は低く南の傾き、肌寒さは、暑かった夏を思い偲ばれる。今日から24節季の霜降だ。

西日の射す窓からは富士山が見える、その富士山の頂上は雪が白く見えるようになった。町の八百屋さんには、秋の果物が盛り沢山に店先に並ばれてきた。秋真っ盛りでる。

「千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」(在原業平朝臣

『(川面に紅葉が流れていますが)神代の時代にさえこんなことは聞いたことがありません。竜田川一面に紅葉が散りしいて、流れる水を鮮やかな紅の色に染めあげるなどということは。』

秋の日の ビオロンの ためいきの 身にしみて ひたぶるに うらがなし という上田敏訳・ヴェルレーヌの詩「落葉」のイメージは、ドライな現在の感覚には少しそぐわないかも知れない、立ち止まって何かを考えさせてくれる季節ではある。

「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」など、秋は気候が良いせいで、いろいろな楽しみが多い季節でもある。