政策仕分け・・・確実に削る仕組みを

官僚の壁を打ち破れるのか、無駄を削る仕組みは提言されたが、公務員宿舎建設、次世代スーパーコンピューターなどいつの間にか復活?してしまっている。官僚までの一本化の徹底がなければ意味がない。確実に削る仕組みを考えないと効果はない。

昨日は、政策仕分け、昨日は年金制度に関し、議論が進められた。本来より高い年金支給の特例水準を2012年度から速やかに解消し、減額すべきだと提言した・・・財務省は特例により累計約7兆円の「もらい過ぎ」が生じたと指摘。提言を受け小宮山洋子厚生労働相は12年度から3年間かけて実現する意向を記者団に表明した。

東京新聞社説・・・「政策仕分け 無駄削る仕組み確立を」・・・政府の行政刷新会議が「提言型政策仕分け」を行っている。主要政策の問題点を洗い出し、改善の方向性を示すとしているが、提言には強制力がなく、無駄を確実に削る仕組みづくりが必要だ。

行政刷新会議が行う仕分けは四回目だ。「廃止」「凍結」「予算縮減」などを判断した過去三回の仕分けとは異なり、政策や制度の在り方に踏み込んで見直しの方向性を提言するのが特徴だという。

仕分けは二十三日まで。初日の二十日には福島第一原発事故を受けて原子力・エネルギー分野が対象となり、高速増殖原型炉「もんじゅ」存廃を含む計画の抜本的見直しが提言された。

仕分けは一般に公開され、インターネットでも中継される。多くの国民の眼前で主要政策の是非が議論されることは評価したいが、これで十分とは言えない。

蓮舫行政刷新担当相は冒頭「結果は首相のもとで取りまとめ、政府一体で進めたい」と述べたものの、これまでの仕分けをみると、骨抜きとなる例が相次いでいる。

例えば、二〇〇九年の事業仕分けで凍結とされた埼玉県朝霞市の公務員宿舎建設は昨年、財務省が事業再開を決め、工事が再開された(現在は再び凍結)。

同じく〇九年の仕分けで研究開発予算が百十億円削られた次世代スーパーコンピューターは、毎年の運営費が四十億円増えた。

ほとぼりが冷めたころに予算を復活させたり、別の費目で計上するのは、官僚の常とう手段だ。こうしたことが頻発するのは仕分け結果に法的拘束力がないからにほかならない。いくら華々しくやり玉に挙げても、実際に予算が削減されなければ意味がない。

この点、政府の仕分けに刺激され、衆院決算行政監視委員会で十六、十七両日行われた「国会版事業仕分け」に注目したい。

国会版では公務員宿舎や、原子力施設の検査を担う独立行政法人の予算縮減を求める意見が多数を占めた。政府に見直しの勧告や決議を出すかどうかは今後、理事会で判断するが、政府の仕分けと異なる点は、国会版の決定は法律に基づく権限を持つことだ。

もし、政府が仕分け結果を無視する予算を提出したら、否決したり、修正を求めることもできる。

この際、会計検査院や行政評価局を巻き込み、行政の無駄を確実に削る仕組みを、国会主導でつくってはどうか。税金の無駄遣いに目を光らせ、事業の要不要を判断するのは立法府の役割だ。