地球危機は人間の知恵で克服を!

地球危機はヒシヒシ迫っている人間の知恵で克服を!

COP17が28日南アフリカのダーバンで始まった。地球の温暖化で、今年の台風12号で紀伊半島の豪雨・15号では私達の住む八王子市では街路樹が倒れるなど大きな被害がでた。そして、タイの記録的洪水で、アユタヤ周辺の工業団地を水没させたことで、日本企業の生産活動に大きな打撃を与えた。

今朝のNHKのニュースで、WMO=世界気象機関は、北極海の海氷の体積が、地球温暖化の影響で過去最少規模となったことを明らかにするとともに、温暖化によるとみられる洪水や干ばつなどの異常気象が、今後さらに頻発する可能性が高いとして、警戒を呼びかけたという。

京都議定書の期限切れを1年後に控えながら、これに代わる枠組みを決められそうにない情勢が何とももどかしい。温暖化対策は待ったなしの状況である。海水面の上昇で国土を失いかねない小さな国々があることを忘れてはならない。交渉進展に向け、参加国の頑張りを求めたい。

リーマンショック以降地球温暖化に対するマスコミの報道は断然少なくなった。日本は3・11東日本大震災EU諸国の経済危機に見舞われなど、それどころではないのが正直なところだが・・・

西日本新聞社説・・・京都議定書は2008―12年を第1約束期間とし、先進国に温室効果ガスの総排出量を1990年比で5%以上削減する義務を課した。本来は2013年以降もこうした取り組みが欠かせない。

各国とも温暖化対策に取り組む意欲が急速に低下し、09年のCOP15(コペンハーゲン)、昨年のCOP16(カンクン)と協議は不調に終わった。だが、京都議定書以降の国際ルールがなくなる事態は避けねばならない。

そこに「空白」が生じると、温暖化防止にとって厳しい情勢を招くだろう。国際エネルギー機関(IEA)が「直ちに行動しなければ代価は何倍にもなる」と警告するように、万国共通の課題に向けた歩みを止めてはならないのだ。

1997年に採択された京都議定書では先進国と途上国を区別し、先進国にのみ削減を求めた。その後の経済発展を考えれば、両者の区別なく削減しなければなるまい。いまや中国は世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国である。

当時は途上国扱いだったシンガポール、韓国、ブラジルも一定の義務を負うべきエネルギー消費国になっている。何より、京都議定書から離脱した排出量2位の米国を組み入れる必要がある。

「全員参加」で削減し、それに法的拘束力を持たせる体制を目指すのが筋だ。それが難しいなら、昨年のCOP16で合意された、各国が自前の削減目標や行動目標を自主的に登録する仕組みを進めていくのが現実的だろう。温暖化対策は取り組みを止めないことが重要である。

日本のCO2削減行動計画は、原発の増設とエネルギー使用削減を軸に構築されてきた。しかし、福島第1原発事故で大きく状況が変わった。原発の増設は想定できない。現在ある原発も相次いで止まり、CO2排出量の多い火力発電所がフル稼働して急場をしのいでいる。これ以上の削減には産業界の反発も強い。

「全主要国の参加」を条件に20年までに90年比で25%削減するという日本の国際公約は困難な情勢だが、簡単に諦めるわけにはいかないだろう。各国同様、排出を抑える努力を怠ってはならない。