日々是好日


晴れてよし曇りてもよし富士の山もとの姿は変わらざりけり」山岡鉄舟の言葉ばであるが、そもそもこの世は人間の知恵と力で、どうこうできるところではない。

富士山を見に来たのに雲に隠れて富士山が見えないと嘆いてみてもしかたがないことである。雲の向こうに富士山はあるのだが、見えないからと自分の不運を嘆くのは人間の勝手である。

人は欲に心が動き、欲に迷ってしまう、「心こそ 心迷わす 心なれ 心に心 心ゆるすな」・・・心こそが自分を迷わすモノだから、自分が心に思うこと、感じることに、また自分の心の動きに気を許すな、という意味である。

「日々是好日」・・・好い日、悪い日、普通の日などと、自分がそう思いこんでいるだけなのである。

人としてこの世に生まれてきて、今、生きている毎日が好き日である。多くの人との縁によって、共に生きていく日々が好い日である。人生は山あり谷あり、挫折も向上の原動力であり、絶望も希望の出発点ですから喜ぶべきである。

「毎日毎日が好い日ばかり」と、日常を楽観しているものではないのである。たとえどんなことが身に起きようとも、その日一日を「好い日」だと受け止め、向上していけというのだ。