故郷を大切に守ろう


私の住む近くの湯殿川があります。ウサギ追いし山があって、湯殿川にはフナっこ、ドジョウがすんでいました。しかし、開発が進んで村が町になってしまい、ウサギ・フナっこはいなくなりました。子供たちの遊びも、違ってきました。

しかし、もう人が放った鯉しか確認できなかった湯殿川に、今まで見聞きしなかった「鮎」がいることが今年9月ごろ、確認できたのです。

鮎は、サケの仲間で、流線型の美しい魚で、日本人にもっとも愛されている魚です。全長が20〜30cmぐらいで、淡水魚の中では大きい。スイカのような香りがするという人もいます。水がきれいで、川底に水苔(みずこけ)がいっぱいある川が大好きです。

たった1年という短い一生のうちに、海と川を行き来する魚で、約半分ずつを海と川で生活しています。不思議なことに自分が生まれ育った故郷を決して忘れないと言うことです。

人も生まれた環境によってその人の性格が形成されると言われます。人には「心」があります。心の故郷のイメージを一生忘れることはないのです。

「故郷」があって「心の支え」となって、どれほど癒され、勇気付けられるか、その心の醸成する故郷を大事にしていきたいものです。人が「心の支え」になって、つらい生活に耐えられるのです。

一人なくて、遠くに離れていてもその「心の故郷」がその人の心を支えてくれます。そして大きな困難に際して、その人を支えくれます。

ヨットが海上を帆走している時、それを支えるのは帰る港があるからです。家族というのは大きな木のたくさんの枝のようなものです。それぞれ幹から栄養を得ています。枝の大きさも強さも違う。しかし同じように栄養を幹から得ています。幹は大地にしっかりと根を張っています。

だから、私達が住んでいる町・川を大事に保護し、美しい思い出と夢と希望の持てる子供たちを育つ環境を守っていくことが今住んでいる人ひとり一人の義務だと思います。そうして、感情豊かで、人の思いやり、故郷を愛する心持った人間を育ていくことが、とても大切と思います。