共生社会への移行の時代

共生社会への移行の時代

地球環境の悪化は、20世紀の後半から叫ばれている。その悪化はひどくなるばかりである。地球環境が改善される見通しはない。資本主義経済が地球環境の悪化をもたらしていると言っても過言ではない。

そして、社会主義もまた地球環境を著しく悪化させている。社会主義国における人間の尊厳の無視は、多くの良心のある人々の知るところである。

21世紀は、貧しい国も貧しい者も本当に豊かになるチャンスをもてる世紀であるべきである。貧しい国や貧しい者が富める国や富める者の慈善にすがって生きる時代ではない。貧しい国、貧しい者が豊かな国、豊かな者の傲慢と偽善によって得た富のおすそ分けにすがって生きる誤魔化しの時代は終わりである。

21世紀は、地球上で、人口が爆発する世紀でもある。すでに昨年、国連の統計の発表では、70億人・2100年には100億人と予想している。そして貧しい者が激増する世紀でもある。

地球環境の悪化で食料・水の不足で、貧しい者の不満が爆発し、自然環境が危機に瀕する世紀でもある。この21世紀の危機を解決するには共生社会の移行することにある。

共生社会とは、自分だけではなく、他者と共に生延びること、或いは生延びられる社会をいう。その他者とは、自分に都合の良い、味方だけではない。「嫌なやつ」「敵対者」、自分を殺しに来るかも知れないものとも、「共に生のびる」社会である。

共生社会は、貧しい国、貧しい者も豊かになるチャンスを与えられる生き方である。人間は、夢や希望に溢れていなければ人間ではない。将来に展望が開かれていなければ、人間ではない。

現代では、そういう当たり前のことがなおざりにされている。現代人には、5年先のことは闇の中である。100年先のことは、誰も考えれない。いつ核兵器が地球を爆破するかを考えると、もう一瞬先のことが思考停止になる。

現代人は、思考停止になった状況の中で生かされている。いつ死ぬか不安状況に置かされている。共生社会は、地球環境と人類との和解だけではなく、地球上の誰もが、最貧国の者も豊かな国の者も等しく豊かになるチャンスをもつ、人間の尊厳を真の根底に置く社会である。国の如何を問わず、誰もが豊かになれるチャンスを与えられる社会である。