将来が不安で堪らない

家族に認知症もご老人がいる家庭は、介護の大変さは私の兄夫婦を近くで理解できる。兄夫婦は幸い、近くに息子夫婦がいたので、面倒を見てもらうことが出来た。

しかし息子は、職を変え、近くの勤めを変えて介護に当たったのである。ちょうど、介護保険制度の創設(2000年施行)だったころのことであった。

当然介護制度を利用して、ベットなどの借用とヘルパーさんにお願いする生活が出来たが、夜と朝の6年という長い年月を一生懸命に面倒をみたのである。家での生活は介護制度を利用したが、はかり知れないほど息子家族は犠牲となった。

最近講演会で大学の先生が言われたことだが、結婚してからの人生・・・子育てに3分の1・親の面倒3分の1、そして自分の時間を3分の1の時間を費やす(過ごす?)ことが理想だという。果たしてそんなこと出来るだろうか・・・

最近、町会役員・国勢調査などで、お一人だけの家・町内のお年寄りだけの家などが、増えている状況にある。そして問題なのは、プイバシーの問題・核家族・無縁化時代などで、家族・近所のコミニティーが薄れていく現状である。

今問題となっている悲惨な孤独死→孤立し(二人)になって、これだけは町内ではなくしたいと思案しているところである。また私も将来のやがて来る?不安が堪らない。

毎日新聞社説『孤立死 家族を「面」で支援する』
札幌市や東京都立川市横浜市などで「孤立死」が相次いでいる。認知症や障害のある人が同居する家族の死によって生活の支えが絶たれ、食べ物や暖を取ることができずに衰弱するという痛ましさだ。

死後しばらくたってから見つかるケースばかりである。都市部の高齢化はこれからが本番だ。社会的孤立、生活苦から危うい状況にある高齢者、障害者とその家族を守る手立てを早急に用意しなければならない。

札幌市のマンションでは姉(42)と知的障害のある妹(40)が死亡しているのが約1カ月後に見つかった。姉が病死した後、妹は誰にも救いを求められず凍死したと見られている。

立川市のマンションでは母(45)の死後、知的障害の次男(4)が衰弱して死亡、同市の都営住宅では認知症の母(95)と娘(63)と見られる2人の遺体が見つかった。いずれも死後約1〜2カ月が過ぎていた。横浜市でも母(77)と障害のある息子(44)が死亡しているのが発見された。

これらに共通するのは、(1)都市部の集合住宅などで起きている(2)高齢者・障害者が介護する家族と2人で暮らしている(3)公的福祉サービスや生活保護を受けていない(4)近隣の人たちとの交流があまりない−−などである。

このような家族は、都会ではごくありふれている。たまたま今は平穏無事に暮らしているだけであって、介護する家族が病気や事故にあったら、誰にも気付かれずに部屋の中で衰弱死しかねない人はいくらでもいるのだ。

今、猛烈な勢いで高齢化が進んでいるのは首都圏、大阪、名古屋、福岡、札幌などの都市部である。隣近所のつながりが薄く、家族内の支えあいの機能自体が弱くなっている。東京都内の1世帯当たりの平均人数は1・99人なのだ。

ガスや電気が料金滞納で止まる、郵便物がたまる、自治会費が集金できないなど手掛かりはあった。市職員に不安を相談していたケースもある。だが、プライバシーに踏みこむことへの遠慮から救いの手が届かなかった。行政の怠慢は批判されるべきだが、それぞれの地域で自主的に対策を練ることも必要だ。

介護保険や障害者福祉サービスは少しずつ充実してきたが、ホームヘルプや日中活動など「点」の支援に比べ、地域で暮らす高齢者や障害者の生活を「面」で支えるグループホームはまだまだ足りない。

地域から反対される、防災や建築の規制が厳しすぎる、運営費の単価が低くスタッフが集まらない、などが原因だ。生活苦や病弱の介護者と暮らす高齢者・障害者を家族ごと支える福祉サービスも必要だ。孤立死はいつ、どこで起きてもおかしくはないのだ。