木の芽時

むかし、親父から、「木の芽時」は、体調を崩す人が多くなる。特に精神疾患者が多くなると言っていた事を思い出した。

ちょうど今が「木の芽時」野山の草や樹木が一斉に新芽が出る早春の時季だ。山菜摘みや、お花見など、自然とのふれあいが楽しいのだが、心や身体の不調を感じやすい頃でもある。「手足が冷える」「肩がこる」「体がだるい」「頭が痛い」「何もする気がしない」など、体調不良を訴える人が多くなると言う。

不定愁訴」と診断される症状である。不定愁訴の原因にはさまざまなものが考えられているが、主に、ホルモンバランスと深い関わりのある自律神経が乱れるためと言われている。

今の時期、気温が安定せず、初夏を思わせるような暖かい日があったかと思うと、翌日は花冷えで気温がぐっと下がったりと、気温差が激しくなる。このような気温差は身体にとってのストレスになる。

また、就職、転勤、引越し、など、仕事や人間関係の変化が精神的なストレスとなることもある。身体的ストレスに日常生活で感じる精神的ストレスが加わることで、体の司令塔の役割を果たしている自律神経の乱れを引き起こす。

自律神経が乱れるとホルモンバランスが崩れて、ホルモンのバランスが崩れるともっと自律神経が乱れるという、悪循環に陥ってしまう。

京都で大きな交通事故(被害者7人が死亡、運転手も死亡)があった。「てんかん」という病気が原因であった。しかし、運転中に発作を起こして危険な状況に陥るのは、「てんかん」に限ったことではない。

てんかん」という病気と精神疾患とは違うかも知れないが、気候の変動・ストレス・過労・睡眠不足などで発作が起こる要因などではないかと思う。

「木の芽時」には、精神疾患の患者のみならず、健常と思っている人でも、突然何らかの原因で、思いがけない言動を引き起こすことがある。ストレスをためない、休養をとるように心がけることが大切だ。