相次ぐ交通事故に思う

「人に優しい運転が一番」だが、出来なければ、ルールの見直し「交通規制」しか方法はない。

ゴールデンウイークに入って、交通渋滞予測のニュースが流れるのだが今年は違う。集団登校の学童の列に車が突っ込んだり、大型バスの事故交通事故が起きた。私は、ゴールデンウイークが終ってから、5月7日に日帰りバスツアー参加する予定だ。何か不安になってきた。

私は、交通安全協会で交通指導を18年続けているが、交通マナーもさることながら、「車と人」をもう一度考え直す必要があると思っていた。運送会社・タクシー労働条件はもちろん、高齢者のマイカー運転など、安全意識の感覚を見直すことだと思う。

今回の群馬での高速道路事故は、バス会社の労基法違反は間違いない。「車は走る兇器」となる。乗る人も人間、体調管理が重要であることはもちろん、人の命の尊さを充分わきまえて、ハンドルを握ることを認識すべきである。

それにしても、基本給を異常に低賃金に制定してあるから運転手が過労せざるを得ない仕組みになっている。運転手の労基法違反は厚労省が厳しく規制すべきと思う。

朝日新聞社説・・・「交通事故―道路で命を失わせるな」

悲惨な事故がまたおきた。道路で失われる命をこのままにできない。対策を直ちにとろう。群馬県関越自動車道でおきた高速バスの事故は、連休ののどかさを吹き飛ばした。大型バスの座席でまどろむ人たちは、こんな目にあうと考えてもいなかっただろう。

今月は大きな事故が続いた。中旬に京都市の繁華街で軽乗用車が暴走し、運転者とあわせて8人が死亡した。京都府亀岡市では登校中の小学生と保護者計10人がはねられ、3人が亡くなった。千葉県ではバス待ちの列に車が突っ込み、小学生1人が命を奪われた。

車と人の関係はこのままでいいのか。多くの人がそう考えたのではないか。事故の事情はそれぞれに異なる。居眠りしていた、ぼんやりしたと話す運転者が続くのはとても気になるが、背景は今後の捜査を待たねばならない。だが今からできることはある。

夜をおして走る旅行バスは、ネットで安さを比べられ、厳しい競争をしている。それでも互いに安全を確保して走る方法があるはずだ。乗客も、運行する会社も安心できるルールを考える必要がある。

一般道で続いた事故についてはまず、通学路の安全だ。たとえば、亀岡市の事故がおきたのは、車がやっとすれ違うことができる細い府道だった。並走する国道の抜け道になり、交通量が多かった。

地元の要望を受け、府は道路の両側に幅1メートルほどの路側帯をつくったが、ガードレールなど防護柵はなかった。千葉の事故も防護柵のない県道でおきた。

通学路に防護柵を備えることを基本にしよう。路面を所どころ盛り上げ、速度をあげにくくすることも有効だろう。さらに、登下校の時間帯は車の乗り入れを禁じ、校区の広がっているところはスクールバスを走らせる。地域の事情にあわせた保護策をいち早くとり入れるべきだ。

自治体の台所は苦しいが、子どもを守るために必要だ。地元の人たちや企業に加え、自動車産業の寄付でまかなう基金をつくって対策をとれないか。

警察庁は昨秋から、小学校や幼稚園などのある住宅地の生活道路を時速30キロ以下にする区域指定を始めた。歩行者の交通事故死を減らすことが期待できる「ゾーン30」という施策だ。

欧州で効果をあげている。国内での広がりはこれからだ。エアバッグなどで運転者の安全は進んだが、歩行者はまだ危険な状態に置かれている。