暗いニュースと明るいニュース


「欧州の債務危機の懸念は深まる」・・・このところ、景気は世界に落ち込んでいる。欧州ではギリシャを始め各国で、財政危機が叫ばれている。アメリカ・日本にもその影響は厳しい。円高により、軒並み株価は大きく落ち込んだ。日本もいろいろな面で楽観できない状況だ。しかし、H2Aロケットの打ち上げ成功の明るいニュースもある。

「株価ことし最大の下落 円高も 」・・・18日の東京市場では、ヨーロッパの信用不安が拡大するという懸念から、日経平均株価がことし最大の下落となった一方、比較的安全とされる円が買われて円高が進み、日本の国債も買われ、長期金利が一時、8年10か月ぶりの水準に下がるなど、投資家の間では、リスクを回避しようという動きが強まった。

日本、アメリカ、イギリス、ドイツの4つの国の国債が買われ、各国の長期金利はいずれも歴史的な水準に低下している。

「G8サミット開催」・・・野田首相は18日、アメリカ・ワシントン郊外のキャンプデービッドで行われるG8サミット(主要国首脳会議)では、「欧州の債務危機が最大のテーマだと思います」と述べたが、サミットで、再燃が懸念されるヨーロッパの債務危機への対応に積極的に関与する方針を示すとともに、北朝鮮問題では核実験などのさらなる挑発行為を阻止するため、各国に連携を呼びかける考えである。「

海外の衛星搭載 H2A打ち上げ成功 」・・・明るいニュースもある。海外から受注した衛星を初めて載せたH2Aロケットの21号機は、18日未明、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、予定の高度で韓国の多目的衛星などを切り離し、打ち上げは成功した。

H2Aロケットの打ち上げ成功は15回連続で、海外から受注した衛星の打ち上げ成功は初めてである。

今後の受注活動に弾み・・・信頼性・安全性が裏付けられて日本のロケット技術が世界に示された。今後は打ち上げコストの問題だが、多目的のものを同時に取り入れるなどしてコスト削減の努力すれば、将来の商業衛星は、大きく拓けることだろう。

衛星打ち上げビジネスの今後の課題は・・・成功率は95.2パーセントで高いが、衛星打ち上げビジネスの国際市場で欧米のロケットと受注を争っていくには多くの課題がある。コストであるが、海外のロケットより2割から3割程度高いと言われているが、コストの削減には限界がある。
国際ニーズは大型化であるがH2Aロケットは3.5トン限界だそうだ。欧米の衛星の大型化が進んで世界で打ち上げられる衛星の半数以上が4トンを上回るようになり、H2Aロケットが対応できるのは市場全体の10%程度になっているとする見方もあるという。