八月雑感

2012年8月晦日・・・「光陰矢の如し」と言いますが月日の経つのは早いと感じてしまうことばかりです。

母親が自宅で病死した日は1949年(昭和24)8月13日です。その年も暑く、何日も雨が降らず、母親は、「雨が降らないかなぁー」何時も呟いていました。享年49歳。

今年(2012年)の8月はことのほか暑く、東京地方は雨が降りせん。今月も今日が晦日。明日は、9月・・・年をとり、身に堪え、辛かった年はありません。年をとるということは、こういうことかと実感・納得??

世の無常というが、曹洞宗大本山永平寺の特に鳴らしものは鐘、太鼓、木版(もっぱん)、雲版(うんぱん)、魚鼓など実に様ざまな種類がありますが、時に応じて打ち方も異なるという、新到の修行僧が頭を悩ませる試練のひとつだそうです。

木版には『生死事大 無常迅速 各宣醒覚 謹莫放逸』 生死事大(しょうじじだい)無常迅速(むじょうじんそく)各宜醒覚(かくぎせいかく)慎勿放逸(しんもつほういつ)と書かれているという。

その意味は「生死は仏の一大事、時は無常に迅速に過ぎ去っていくから、各人はこのことに目覚めて、弁道精進につとめ、無為に過ごしてはいけない」。叩いて合図をするだけではなく、その音声で心をも目覚めさせようとの意味が込められているという。

時の行く早さは、年をとる度に感じる速さを覚えますが・・・「新鮮な経験が多いほど時間の経過が長く感じる」と言うこです。

興味のあることに没頭しているときに、時間があっという間に過ぎ去ってしまうということは、多くの人が体験していると思います。人間の感覚は結構いい加減なので、同じ時間が条件によって2倍に感じたり半分に感じたりします。

たとえば、車を運転して、これまでに行ったことのない目的地に行くようなときには、往路の時間のほうが復路の時間よりも長く感じます。

子供の頃の私は、貧しかったせいもあって、早く大人になって働いてお金を一杯儲けて、立派な家を作り・・・美味しいものを食べ・・・楽しい生活がしたいと夢を見ていました。

子供のころの1年は長かったけれども、今は1年がアッという間だということにも説明がつきます。子供は大人よりも、圧倒的に大量の、自分にとって新しい情報を受け取っているので、1年が大人よりも長く感じるのです。

常に環境が変わる中で、新しいものを追い続けている人は、毎日同じことを繰り返している人よりも(体感的に)長い人生を送ることができます。変化に対しての拒否反応があるときには、この理論を思い出すと、重要な一歩が踏み出せるかもしれません。