人間の心理には善と悪が混在している

「いじめ」・「幼児虐待」・「育児放棄」・「介護放棄」のニュースは毎日、マスコミで報道され、今日も、またあったかと・・・日常茶飯事である。そして高齢者は、ますます増えて、介護放棄という悲惨なケース増えると懸念するばかりである。

事件になり表面化した事案より、表面化しない、いわゆる陰湿で、惨い行為で悩んでいる人は、報道されている件数より、何百倍もあるだろう。その中には、命に関わるような状況にあると思われる事案もあるだろう。

人権は法律で守られていると言うものの、愛の裏には憎しみという心理がうごめいているのである。人間には「善と悪」という対極した2つの面が、「陰と陽」の関係のように刻み込まれている。善良な人が悪人に変貌することはとても簡単で、また悪人が善良な人に変貌することも可能であるという。

アメリカの心理学者「フィリップ・ジンバルド」は、人間の中には「悪と善」両方の側面があり、純度100%の善人も純度100%の悪人もいない。それ故に自分も状況によっては「悪」に転落する危険性もあるということがわかっていれば、何か問題が生じてしまうことはあったとしても、軌道修正することは可能なんじゃないかという。

戦争がなくならない理由も、戦争とまではいかなくてもお互いを受け入れられず非難しあう「机上の戦争」がなくならない理由も、そんなところにあるのかもしれない。

人間の心理には善と悪が混在している。また自分と他人の関係のバランスは、崩れやすく脆いものである。人間は、他の動物と違うのは、それらを制御する能力を学習し、社会を構成している。自制心が、環境などで、狂ってしまい、自制心が低下し、事件になってしまうのだ。