ノーベル文学賞と村上春樹氏

今年のノーベル文学賞は、有力と目されてきた、日本の村上春樹氏(63)が、今年の受賞出来なかった残念。中国の「赤い高梁」莫言氏(57歳)に決定した。

1976年に人民解放軍へ入隊後、文学を学び、代表作『赤い高粱』は、映画化され、日本でも『紅いコーリャン』の題名で知られる。

村上春樹氏は、中国との領土問題で『魂の行き来する道筋』と題して、9月28日に朝日新聞に寄稿されました。

ノーベル文学賞は、大所高所で選ばれたのでしょう、村上春樹氏に期待していた日本人の多くは残念であるが、楽しみを来年に延ばしたと思えばいい。ところで・・・

「文化の交換は『我々はたとえ話す言葉が違っても、基本的には感情や感動を共有しあえる人間同士なのだ』という認識をもたらすことをひとつの重要な目的にしている。それはいわば、国境を越えて魂が行き来する道筋なのだ」

領土問題が「国民感情」の領域に踏み込むと危険な状況が出現するとして、それを「安酒の酔いに似ている」と指摘。エッセーの最後ではこう訴えた。

「安酒の酔いはいつか覚める。しかし魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない。その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を重ねてきたのだ。そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋なのだ」

アジアでノーベル文学賞を受賞した人は、1913年インドの詩人タゴール・1968年の川端康成・1994年大江健三郎・2000年のフランス国籍で中国人高行健で今回の莫言の5人である。

中国・韓国で領土問題で、ギクシャクしている関係を、修復するには、的確なコメントであり、中国人の中でも、感銘を受けた人も多いと思う。基本的には同じ黄色人種ではないか「話せば分かる」問題のだ。