EUがノーベル平和賞

ノーベル平和賞を、設立から60年経つEU欧州連合)に、ノルウェーノーベル賞委員会は12日、2012年のノーベル平和賞を委員会は「欧州の平和と調和、民主主義と人権の向上に60年以上にわたって貢献した」として授賞理由を説明した。

ヨーロッパ27か国が加盟するEUは、多くの犠牲者と国土の荒廃をもたらした20世紀の2つの世界大戦の反省を踏まえ、平和と共存を最大の理念として設立された。

EUでは現在、ギリシャの財政危機を発端に信用不安が広がり、世界経済にも大きな影響を及ぼしており、発足以来最大の危機に直面している。

東京で開かれている、IMFトップのラガルド専務理事は「われわれは財政再建と経済成長という狭い道を進まなければならない」と述べ、世界経済が減速するなか、加盟国に対して成長に向けた協調を促した。

一方、失業率25%で、特に若者は、50%以上という。ギリシャ副開発相 は、NHKのインタビューで、「早期の支援必要」と「支援がなければ12月以降は国庫を維持することができない」と述べ、来月までに支援が必要だと強調した。

他にEUの中でも、スペイン・イタリアなどが財政危機で、イタリアの政府債務の対国内総生産GDP)比は150%以下の水準(日本は200%)を超えている。

ギリシャ、スペイン、イタリアなどで起きている財政危機は、EU自体の崩壊という危機、経済不況風は世界を吹き荒れている元凶となっている。

影響は中国などこれまで成長のけん引役だった新興国をも揺さぶっている。新興国の減速はさらに先進国経済の足を引っ張っている。

朝日新聞社説・・・「ノーベル平和賞―不戦誓った欧州の60年」

http://www.asahi.com/paper/editorial.html