阿倍首相の所信表明演説

演説で「危機」という言葉が14回も使われ、危機意識を強く持ち、その突破するには先頭に立つ、強い決意を表明された。

長引く、デフレ脱却は、喫緊の課題だが・・・それが、懸案のすべて解決するとは思えない。経済を本格的な回復軌道に乗せ、社会を豊かにする具体策こそ聞きたかった。大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間の投資を引き出す成長戦略を三本の矢として政策を実施していくという。

首相は日本経済、東日本大震災からの復興、外交・安全保障、教育という四つの危機の突破に邁進する決意を強調し、特に経済の再生を「わが国にとって最大かつ喫緊の課題」と位置付けた。

デフレからの脱却は、持続的な経済成長を取り戻すための大前提であったとしても、それだけで直面する懸案をすべて解決できるとは思えない。

その上、規制改革・既得権益の排除などの政治決断と成長分野への民間投資を促すような政策誘導が必要だ。社会保障も同様だ。少子高齢化社会を迎え、給付水準を維持、引き上げるには負担を増やす必要がある。

デフレ脱却と並行して社会保障制度を社会の構造変化に合わせて変えていかなければ、持続可能な制度にはならない。

エネルギー政策・TPP問題・消費増税と、社会保障少子高齢化対策などの具体的な施策が抜け落ちていた。デフレ脱却で税収が増えても、行政が無駄遣いをなくす、行革の具体策と首相の決意を聞きたかった。

新聞各紙社説・・・

朝日・・・「所信表明演説―危なっかしい安全運転」
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読売・・・「所信表明演説 危機突破へ成長戦略を語れ」
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毎日・・・「通常国会 参院選見据えた論戦を」
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日経・・・「危機突破へ首相はTPPにふみだせ」
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産経・・・「所信表明演説 危機突破に総力挙げよ 「安全運転」では物足りない」
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各誌相当見方が違うようだ。