川口氏の中国出張問題

あきれる国会運営・・・与野党は政策で論争すべき、国会審議を!大局的見地で・・・

■不毛な対立にあきれる・・・朝日■解任はいき過ぎ・・・読売■大局を見ぬ野党の対応・・・毎日

川口順子参院環境委員長は、参院の許可なく中国出張の日程を延長し、予定されていた委員会が開けなかったことの責任を問われ、解任決議案を9日午前の本会議で採決することを決めた。参院は野党が過半数を占めるため可決の見通し。常任委員長に対する解任決議案が可決されれば、衆参両院を通じて初めてとなる。

「観光旅行に行ったわけではない。国益を考えた判断だ」自民党石破茂幹事長と、それに対して、野党は「立法府は立法が最大の責任で、行政府ではない」(松野頼久・維新の会国会議員団幹事長)と批判する。

川口氏の中国出張は、閣僚の海外出張とは次元が違う話で、議員外交をやりたいなら、委員長を受けるべきではなく、ルール違反は「国会軽視」というのが野党の主張だ。

川口氏の行動は、形式的には参院のルールから外れている。しかし、尖閣諸島の国有化以降、日中両政府は対話の糸口を見いだせず、議員外交が待望されている。川口氏自身も陳謝しているのだから、ここは大局に立って、「ルール違反」は注意で済ませ、国会審議を促進するのが常識的な対応ではないか・・・(朝日新聞社説)

一方で、中国との閣僚級以上の対話が途絶えるなかで、尖閣靖国問題で日本側の立場を伝えるのは国益上必要だという川口氏の言い分にも、聞くべき点はある。

読売新聞社説・・・川口氏は陳謝した上で、「主権と領土を守る国益に背中を向けられなかった」と釈明している。野党側は解任決議という“強権発動”ではなく、陳謝を受け入れるべきではなかったか。重要法案に関する不手際でもないのに解任とは行き過ぎだろう。

参議院規則では、委員長の代理を立てることが認められている。25日の委員会は、代理による議事運営も可能だったはずだ。

野党側は、夏の参院選に向けて、安倍政権との対決姿勢を強めたいのだろう。民主党には、野党共闘構築の足がかりになるという声もある。だが、こんな国会対応では有権者の共感は得られまい。

自民、公明両党は、野党の解任決議案提出に反発し、8日の参院予算委の集中審議を欠席した。予算審議での与党欠席は極めて異例であり、無責任だ。与野党は、相手の揚げ足取りばかりでなく、政策論争で正面から勝負すべきである。

毎日新聞社説・・・川口氏の行動は、形式的には参院のルールから外れている。しかし、尖閣諸島の国有化以降、日中両政府は対話の糸口を見いだせず、議員外交が待望されている。川口氏自身も陳謝しているのだから、ここは大局に立って、「ルール違反」は注意で済ませ、国会審議を促進するのが常識的な対応ではないか。

常任委員長の海外渡航自粛というルールが、時代に合っているのか、再検討する必要もあるだろう。今回の騒動がせめて、そういう前向きな議論に発展することを期待したい。