今をしっかり生きる

今をしっかり生きる・・・

すべて存在するものは絶えず移り変わっていて、「形あるもの何時か壊れる・生あるもの何時か死ぬ」・・・世は無常です。

無常には逆らえない。

動きは一瞬たりとも止めることは出来ません。私たちは、生・老・病・死から人生における免れない四つの苦悩から逃れません。健康でありたいと頑張っても、老けるし、病気になるし、体力は衰えます。そして最後には必ず死がやって来ます。命は無常なのです。

この現実をありのままに認めるとき、私たちは初めて心の安らぎを味わうことができるのです。私たちは無意識に呼吸をしているのと同じで、なかなか「今」の瞬間に気づくことができません。

ほとんどの時間を、過去や未来のことを妄想して生きているのです。生きているのは今だけですから、今をしっかり生きなければならないのに、今の瞬間を忘れて過去や未来のことばかり考えているのです。

大事なのは、何をしているときでも、今起きている現象に気づくことです。疲れたら「疲れている」、嫌になった「嫌になっている」、妄想が現れたら「妄想している」と気づくことだと思います。

むかし親父に言われました。

「過去に引きずられず、未来を期待しない、過去はすでに終わり、未来はいまだ現れてない。現在のしっかり見て(観察)生きること。・・・しかし現在にも実体がないことを知る。そのように知る人に、成長がある。」

そこで「現在」というときも、実体がなく一時的なものなのです。このことを理解する人は、心が成長して幸福になるという意味だと解釈しています。