高齢者の交通事故のこと

私は、後期高齢者の仲間の一人です。車を運転して、交通安全指導員を務めています。

車を運転して気になるのが高齢者の交通マナーです。信号のない交差点・道路を左右確認しないで渡る・自転車の乗り方など、危険な行動にはいつも注意しています。

判断と身体能力が一致しない。車の速さと自分の歩く早さの判断・車は止まってくれるだろうとしての事故が多いのだと思います。一方高齢者のドライバーが多くなっています。「車は走る兇器」となる・・・やはり高齢者の方が多いのです。

「信号無視」をすることは、死亡事故に直結する危険行為です。

「横断禁止場所を横断」することは、死亡事故に直結する危険行為です。

自宅付近だから、いつも通っているところだから・・・「大丈夫」とは限りません。

自分は安全に自信があっても、絶対安全ありません。平成25年上半期に、都内において交通事故で亡くなった方は82人でした。このうち高齢者は31人(構成率37.8%)で、年齢層別では最も多くなっています。

日本経済新聞社説(9日)・・・「高齢者の交通死をどう減らす」・・・

官民をあげた取り組みの成果といえよう。警察庁によると、交通事故によって死亡した人の数は13年連続で減り続け、昨年は4373人となった。死者数が4400人を下回るのは1950年以来、63年ぶりのことだ。車の台数が少なかった戦後間もない時期の水準にまで押し戻したわけである。だが楽観はできない。交通事故の情勢は転機を迎えつつある。

これまでは事故件数は減らなくても、死者数は減ってきた。シートベルトの着用率を上げたり、車の安全性能を高めたりすることで「事故にあっても死なない」対策をとることができたからだ。これをさらに進め「交通事故死ゼロ」を目指したいところだが、この効果が限界を迎えつつある。大きな理由は社会の高齢化だ。

高齢者が交通事故にあった場合に死亡する致死率は、65歳未満に比べ6.6倍と高い。高齢者の増加は「事故は減っても、死者は減らない」局面に入ったことを意味している。

実際、昨年の死者のうち高齢者は2303人に上り、12年ぶりに増加に転じた。死者数全体に占める割合も53%で過去最多となっている。昨年は上半期は死者数が前年を上回っていた。

年間の死者数を減少させた大きな決め手は、死亡事故が増える秋の夕暮れ時に、警察が集中して取り締まりや指導を実施したことだった。これからは、こうした効果の高い時間、場所、方法を見極めた取り組みがより必要となる。

高齢者は自宅の周辺で事故に巻き込まれている。住宅地を、高齢者が安心して歩ける環境にすべきだ。そのためには、道が狭いなどの理由で難しかった生活道路で違反取り締まりができる方法などを編み出さなければならない。

自動車各社は自動運転などに向けた技術開発を競っているが、現状はあくまで運転を支援するためのシステムである。将来、事故を劇的に減らす可能性を持つ新たな取り組みとして注目したい。