成人の日に思う

今日は成人の日です。昨年二十歳なられた若人は121位万人。年々減って総人口の占める割合が1%だといことです。

責任の義務が課せられる、いわゆる社会人のなるのです。国の内外は穏やかざる問題が、山積しています。原発是非・日米同盟・地球温暖化・道徳教科化・TPP・少子高齢化などなどたくさんの問題があります。

就職難で諦めムードの方もおられるでしょう。しかし、夢と希望に胸を膨らませ、海外にはばたいて行く人もいるでしょう。国内でも、今までの概念を捨てて、斬新な考えで世の中を変えていくという意気込みの人もいるでしょう。

大事なことは、失敗を恐れずチャレンジする心構えです。大きな視野で世の中(世界)をみるということです。

例えば、交際政治・経済の問題で・・・「Gゼロ」という言葉をご存知でしょうか?

現在の国際政治・経済を語るときに外せない言葉です。第二次世界大戦後、圧倒的な指導力を誇っていたアメリカ。冷戦終結後はアメリカと西ヨーロッパ、日本を含めたG7が世界秩序の中核を担ってきました。

その後、新興国の台頭に伴い、G7だけでは物事を決められなくなり、先進国と新興国を加えたG20へと移行していきました。しかし、アメリカが急速にリーダーシップを失い、どの国もリーダー役を担う余裕がない中で、政治的・経済的価値観が共有されていないG20では重要な問題に対して進展をもたらすことができなくなっています。このリーダー不在の状況が「Gゼロ」です。・・・という現実があるのです。

毎日新聞社説・・・『成人の日 「いいね」だけでいい?』

「成人の日」を迎えた若人たちを祝福したい。昨年中に20歳になった新成人は計121万人。前年より1万人減って過去最低を更新した。総人口に占める割合は4年連続で1%を切った。

就職難は相変わらずで、閉塞(へいそく)感を感じている人もいるだろう。一方で海外への雄飛を思ったり、起業を計画したりと、未来への希望をはぐくんでいる人もいるはずだ。

20歳の若者たちが生まれた1990年代前半はすでにバブル経済が破綻し、就職氷河期が始まっていた。成長とともに携帯電話が普及し、やがてネット社会が到来する。

今や多くの若者にとって、ネットに接することは日常の習慣だろう。しかし、メディアというものには、冷静にうまく付き合うことが求められる。得られる情報がどこまで信用できるか、絶えず点検し、検証することが必要だ。

また、自分の関心のあることにアクセスするだけでなく、さまざまな見方に接してこそ、真実が浮き彫りになるはずだ。興味をひかれたものに「いいね!」を押すだけでは、狭い枠組みで物事を考えることになりかねないのではないか。

 和合亮一(わごうりょういち)さんという詩人がいる。福島市在住で県立高校の教諭。東日本大震災発生直後から、ツイッターで詩を発信し続けて注目を集めた。原発事故に苦しみ、切羽詰まった言葉が並ぶ中、2011年4月9日の記述が目をひく。

海辺で見たこともない新種のチョウが群れを成して空を舞っていた。巨大なカレイが捕らえられた。まっすぐに歩くたくさんのカニを見た。そんな放射能にまつわるうわさ話を列挙した後、こんなふうに書く。

<私たちは噂(うわさ)話の中を、追われている、息を殺して嵐の中を、追われている、不条理な日本>(徳間書店「詩の礫(つぶて)」から)

悲惨な事故の直後、日本中を奇妙なうわさ話が飛び交った。限られた情報しか得られない不安は、私たちの多くが経験したことだ。

現代の日本には情報があふれているように見える。でも、受け身で待っていたり、関心のあるものにしか接しなかったりすると、情報の少ない狭い場所に自分を追い込んでしまう。それでは判断を誤りかねない。

視野を広げることが大切だ。東京だけでなく、地方からの視点も頭に入れよう。一方で、思考をグローバルに世界に広げよう。歴史を見つめることも必要だ。現代は過去の積み重ねの結果なのだから。

限られた情報に短絡的に反応していると、思考までやせてくる。逆に、多様な価値に接することは、人生を豊かにするきっかけになる。