ベビーシッター事件で思う

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幼い子が、ベビーシッターに預けていて死んた。警察の調べで、事件で容疑者が逮捕された。20歳代の男性のベビーシッターということのようです。
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預けなければいけない事情があるものだと思いますが、人の命を預かることの責任の重さを感じます。何んの規制・保証もなく預けたりサイトをみて、簡単に預けたりすることが出来ること自体が、異常に思えます。
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ベビーシッター業には保育士のような公的資格も、行政への届け出も不要だという、どうも納得ができない。
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法律があれば、守られるということでもないが、命に係わる仕事には、国・行政でもしっかり、監視していくべきだと思います。
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今日の東京新聞社説「ベビーシッター 命預かるルールが要る」
手軽に子どもを預けられる利便性の代償にしてはあまりに高くついた。埼玉県富士見市で発生したベビーシッター事件は野放図に広がる保育業への警鐘だろう。幼い命を守るルール作りを急がねば。
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富士見市のマンションの一室で十七日、横浜市の女性の二歳の長男が事切れているのが見つかった。インターネットのベビーシッター紹介サイトを通じて八カ月の次男と一緒に預けていた。

警察はきのう部屋を使っていたベビーシッターの男を死体遺棄容疑で逮捕した。次男は無事だったが、長男にはあざのような痕があった。虐待はなかったか。しっかりと調べなければ。

この事件が浮き彫りにしたのは、保育施設の不足を背景としたシッター需要の高まりと、子どもの安全確保の手だてが追い付いていないという実態である。

ベビーシッター業には保育士のような公的資格も、行政への届け出も不要だ。子どもの自宅を訪ねて面倒を見るのが基本的な仕事だが、法令上は五人以下なら子どもを自由に預かることができる。

この男はシッターとして仲介サイトに登録する一方で、自ら子どもを預かるサービスも手がけていた。命がかかわる。いくら小規模とはいえ生業として子どもを預かる限り、行政の目が行き届くよう規制の網を掛けるほかあるまい。

厚生労働省によれば、市町村がベビーシッター業者を認可し、公的補助金を出す制度が二〇一五年度から始まる。保育の質をどう担保するか。再発を防ぐためにも事件に教訓を学び、シッター研修の在り方を探ってほしい。

ベビーシッター業者と利用者の需給マッチングを匿名性の高いネットに委ねる仕組みも危うい。
子育て中の親にとっては人材派遣業者を通すより安価だし、切羽詰まった注文にも融通が利くといった長所があるという。男もそんな利便性をうたっていた。

しかし、保育の知識や技術に精通した優良な業者と出会えるという保証はない。料金トラブルや事故に巻き込まれても、利用者の自己責任で解決するしかないケースも少なくないという。

もっとも、リスクを背負いながらも、素性のよく分からない相手に小さな命を託さざるを得ない親たちの苦境にも目配りしたい。厚労省はネット仲介の対策に全力を注ぐべきだ。

保育施設の拡充は言うまでもないが、子どもを社会でどう育てるか根本的に考えねばならない。